新たな調査により、企業の新卒採用の理由が「将来の幹部候補・コア人材の採用」から「目下の人手不足解消」へと変化していることが明らかになった。文系・理系共に、2025年卒の採用予定数は「前年並み」が増加し、企業が新卒採用の目標数をこれ以上増やせない状態にあると予測される。
新卒採用の実施理由において、「将来の幹部候補・コア人材の確保」は3年連続で減少し、「退職者の増加」や「前年に新卒を採用できなかったから」という理由が増加している。転職市場の活発化により、転職者が増え、新卒採用で補う企業が増えていることが背景にあると考えられる。
また、調査によると、76.6%の企業が2025年卒の新卒採用は「厳しくなる」と予想している。「新卒学生全体の数が減っていること」が採用難の要因として最も多く挙げられた。少子化により新卒学生数が減少し、新卒採用をする企業が増えている状況が採用に苦戦する要因と捉えられている。
給与については、初任給の引き上げを行う予定の企業が全体の47.2%に上る。上場企業ではその数が約半数に達し、初任給のさらなる引き上げを予定していることが分かった。また、基本給についても48.8%の企業が引き上げ予定であることが明らかになった。
調査担当者は、「新卒採用実施の理由として退職者の増加をあげる企業も増えていることから、採用におけるアピールだけでなく、待遇改善により現職社員の定着も目指していると考えられる」とコメントした。
この調査は、マイナビ2025年卒企業新卒採用予定調査として行われ、有効回答数は1,842社だった。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001918.000002955.html